くろあかのブログ

目を覆いたくなる若者の貧困の実態! 『女子大生風俗嬢 性とコロナ貧困の告白』を読んで

 多くの人が「ここ数十年で日本は貧困化した」と思っているのではないでしょうか。

少子高齢化により健康保険や年金などの社会保険料は膨らみ続けています。一方で、賃金は増えません。当然のように、私たちの手取りは悲しいことになっています。

また、立場的に弱い非正規労働者が増えているのも事実です。厚生労働省が実施している国民生活基礎調査によると、男性の22.3%、女性の56.4%が非正規労働者とのこと。

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 そして追い打ちをかけるように2020年からコロナが猛威を振るい始めました。外出自粛による経済の停滞で多くの企業が危機に瀕しています。それは大企業も例外ではなく、多くの企業が希望退職という名のリストラで人件費の圧縮に取り掛かっています。

このように多くの労働者は貧困やコロナといった問題を受けています。そんな労働者を親世代に持つ若者に皺寄せがくるのは、想像に難くないでしょう。

ここで紹介するのが中村淳彦著『女子大生風俗嬢 性とコロナ貧困の告白』です。中々衝撃的なタイトルですね。この本のテーマになっているのは、若者の貧困となっています。

著書はライターで、取材を通して社会問題を可視化することが特徴です。私はこの人の書く本が好きで、『東京貧困女子。』や『新型コロナと貧困女子』なども読んでいたのですが、今回も衝撃的な内容でした。

非常に高い大学の学費、そして親世代の貧困・無理解から風俗という道を選ばざるを得なかった女子大生や、ゲイ風俗で働く男子大学生のエピソードが綴られています。

正直、読んでいて気持ちの良い内容ではありません。この本には、彼女ら・彼らの生の声が淡々と綴られており、読んでいると辛い気持ちになってきます。

しかし、日本は若者をここまで追い込んでいる、という事実は、多くの人が知る必要があることだとも思います。

本書は若者、ひいては日本の貧困問題が理解できる名著だと思います。この社会と向き合う為に、是非とも読んでいただきたい一冊です。

 

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